楽しくないと、苦痛でしかない帰りの会

1日の最後の活動である帰りの会、開放感や次の活動への意識からか、身が入らない生徒はいませんか?それを怒ったり、罰を与えたりとパワーで制してはいけません。楽しいものにするのです。そうすれば、生徒たちは帰りの会に集中できるのです。

つまらない帰りの会では、「早く帰りたい」「早く部活に行きたい」「早く隣のクラスの○○ちゃんと話したい」などと生徒は思っています。カバンを背負って帰宅準備完了で帰りの会に参加する生徒を見たことありませんか。

もし、あなたの学級で鞄を背負って参加している生徒がいたら、どうしますか?それを注意しますか?

帰りの会は、机の上をきれいにし、前を向いて、良い姿勢で参加し、終わってから帰り支度をするべきである、と考え、それを押し付けていませんか?

その固定観念をリセットしましょう。

帰りの会は、我慢する力を培うためにあるのではないのですから。

目次

ステキな時間を創り出そう!

帰りの会は、そのもち方さえ工夫すれば、とっても価値あるステキな時間になります。

自分たちの歩みを確認したり、笑い合ったり、時には真剣に語り合ったり…。卒業して、一番印象に残っている学校の思い出に「あの時の帰りの会」と言ってくれる生徒も出てくることでしょう。

しかしながら、誘惑が多いのが帰りの会です。終われば学校から解放される、好きな部活動にも行ける。そう思うのは自然なことです。

だからこそ、楽しさや喜びを実感できる会にする必要があるのです。

ただ、4月のスタートから出来るわけではありません。5月までかかるかも知れません。でも、それを目指して、じっくり帰りの会を育てていくんです。きっと学級みんなで楽しんだり、喜んだりする時間を共有できる日常が待っています。

帰りの会を楽しくするために・・・その1

他の生徒から認められる場にしよう。

一日を振り返ろうと学級委員が言うのなら、国語で頑張った子を国語係から発表してもらったり、日常生活で学級のために頑張った子を班長に発表してもらったりしよう。

初めのうちは、担任から雰囲気が良くなるようにつっこむ。「どんなこと頑張ったの?」「それを見て、○○さんはどう思った?」「頑張った子に次ぐ頑張った子は誰?」「頑張った立候補はいる?」などなど。

最初は担任がつっこむが、雰囲気が出来てくれば、少しずつに司会がつっこめるようになっていきます。

何歳になっても褒められるのはうれしい。先生に褒められるのもいいが、仲間から褒められるのはもっとうれしい。毎日一緒に生活しているのだから、自分のことを良く思ってくれている子が近くにいることになるからだ。

笑いある、楽しい帰りの会をめざそう・・・その2

うまくいかなかった時間、うまくいかなかった日でも、「笑いある反省会」にしていきましょう。

人は誰でも、満足できる日ばかりではありません。時には「一日頑張れなかったなぁ」という日もあります。学級も同じ。うまくいかない日もあります。しかし、それを帰りの会で厳しく指摘し合ったり、深く反省し合ったりしたら、つらい時間になってしまいます。

(勝負の日はあります。そんな日は、ベリーベリーシリアスに。でも年に数回にとどめましょう)

うまくいかなかった日、担任の先生は「なんだ、うまくいかなかったのか」と笑顔で言ってみましょう。そして「うまくいかなかったのは、どんなことが原因なのさ?」と笑顔で言ってみましょう。

そして、生徒の答えや発言に対し、つっこみながらも認めていく。「それは、いただけないなぁ。誰が原因でそんな雰囲気になったの?」…「まあ、そんな日もあるけどな、で、どうするの?」…って。

上手にできない、頑張れない、そんな弱さがあることを、理解しましょう。それを先生が怒ったり、注意したりするのではなく、生徒が明るく考えるように促そう。そうすれば、下手、弱い、苦しい、厳しい、でも前向きに生活していくことを学んでいくのです。

帰りの会を楽しくするために・・・その3

ツッコミも、優しいものと、厳しいものがあります。そして厳しいツッコミもいっぱい使っていこう。厳しいツッコミは、生徒は好まないものです。でも、答えられたときは、みんなからもすごいと言われ、安心感と喜びが生まれるものでもあります。

「そのことについて、〇班の班長はどう思ってるの?」と笑顔で。すると「私は、・・・と思ってます」と答える。答えることができるのです。担任は、「なるほどね。学級委員はどう思ってるの?」「僕は・・・じゃないかと思う」「なるほどね。」

なぜ、答えることができるのか?それはには、ちょっとだけ仕掛けがあります。答えられなそうなAさんツッコミを入れようとしたら、昼休みなどに、おしゃべりをしておくのです。「あれについて、心配なんだよね。僕は・・・って思うんだけど、どう思う?」と。答えられなくても構いません。仕掛けですから。

突然、帰りの会でつっこまれたAさんは、担任がおしゃべりした意見を言うことになります。要は担任の意見そのままということになります。今まで急につっこまれて困っていただけのAさん。しかしこの日は違います。的を射た意見を言います。先生の考えた意見だから立派に決まっています。そしてみんな驚く。Aさんすごい、Aさんの意見に共感する、と。

翌日、日記にAさんのことをほめるコメントがあるかも知れない。そうしたら、日記をコピーして(名前はかくして)Aさんに渡そう。喜ぶ。そして、帰りの会が楽しくなる。

帰りの会を楽しくするために・・・その4

先生の話の前に、学級委員の話を入れます。学級委員は学級を俯瞰してみる役割があります。(これについては後日書きます)

学級委員は自分たちのことを語って、明日はこうしようと仲間に投げかけます。

毎日積み重ねると、柔らかくなり、語りも芯を捉えるようになります。そうしたら、先生の話はもはや必要ありません。「学級委員の言葉が全てだな。僕の出る幕はないな。」と。

帰りの会を楽しくするために・・・その5

ゲストを呼んでみるのもアリです。

担任以外、他学年、教務、教頭、時には校長を招いてみます。当然、アポイントを取ってから、生徒が依頼に行くのです。「明日、帰りの会にゲストで来てくれませんか?」

ゲストには、担任から見どころ、学級の褒めてほしいことなどを伝えておきます。「〇〇君の意見の鋭さはすごいですよ」「学級委員は、楽しくつっこんで、雰囲気がいいまま、厳しい指摘します。見ていてください」など。

きっと、その先生のキャラで話してくれます。その場で時間がとれなくても、教科の授業の中で言ってくれるに違いありません。自分たちの活動を他の人がどう思っているのか気になるものです。それが認められていけば、安心感と喜びがもらえるるのです。

これだけではない。

思いつくまま、5つの手段を挙げてみました。しかし手段はもっともっとあります。

担任は、目的を見据え、そのためにいろいろな技を身に付けていく感覚で工夫していけばいいのです。

帰りの会に前のめりに参加すると楽しい、と生徒が感じることが帰りの会で生徒を育成する第一歩なのではないでしょうか。

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