合唱コンクールの選曲メソッド:賞を超えて!生徒の感動と成長を追求する

合唱コンクールって、曲選びが大切ですよね。
でも、どんな曲を選べばいいんだろう?

こんな疑問に答えます。

本記事の内容
  • 手順を追うだけの選曲方法について
  • 賞を超えて!生徒の感動と成長を追求する選曲方法について
  • 賞を目指すより、生徒の成長を目指す選曲をお勧めする理由について

「ただ合唱曲が決めればいいわけではない」ことは、分かっていると思います。僕も初めの頃は「どんな曲がいいんだろう」と、悩みました。

しかし、「どんな曲がいいんだろう」という発想をしているだけでは、生徒の成長が見込めません。

視点、考え方を変化させましょう。曲はある程度、その学年に合う難易度のものであれば、生徒の成長は変わりません。

生徒の成長に影響を与えるのは、「どう曲を選んでいくのか?」です。

この記事を読めば、生徒が成長する選曲方法の視点や考え方が分かるだけではなく、具体的な選曲方法の例を挙げて紹介します。

では、行きましょう!

目次

手順を追うだけの選曲方法について

賞を超えて!生徒の感動と成長を追求する選曲方法について

賞を目指すより、生徒の成長を目指す選曲をお勧めする理由について

担任の先生は、全ての活動において、生徒の成長を考えて仕掛けるべきです。賞をとる選曲方法ではなく、生徒の心の成長を促す選曲方法を考えていきましょう。

合唱コンクールの計画が提案されると、そこにある程度の選曲の流れがあるのではないでしょうか。

① 各学年に合わせた候補曲リストが音楽科から出される。

② それを学級みんなで聞き比べて、候補曲を絞っていく。

③ 他の学級との被りをなくしたい学級は、他の学級と調整する。

これが一般的ではないでしょうか。それに味付けをする先生方もいます。

候補曲に先生の思いが入った曲を入れたり、何回も聞かせたり、候補を毎日絞っていったり、投票に工夫をしたりと。

しかし、それらは選曲方法の工夫であり、生徒が成長するための工夫ではありませんよね。生徒が成長する仕掛けは何通りもありますが、僕はこんな方法で生徒の成長を促しています。

選曲から、みんなで創る

先に伝えておきます。

僕は、合唱コンクールの取組を通して、生徒の心が成長し、その上で賞をいただきたいと考えています。ですから、賞を取るためだけを目指している先生は馴染まないと思います。

その結果、決定した曲はどんなものでも構わない、大切なものは、みんなの目指す方向が明確になることを考えて選曲します。

ゴールのイメージづくり

候補曲をすぐに聴くことはしません。なぜなら、判断基準が生徒それぞれがバラバラだからです。

「明るい曲がいいな」「簡単な曲がいい」「難しくても賞を取れそうなものがいい」「先輩が歌っていたのがいい」「昨年の優勝曲がいい」などです。

そこで、僕はこんな映像をみんなで見ることから始めます。

  • 昨年度の合唱コンクールで賞を取った学級の合唱
  • Nコンの合唱
  • 大人(プロなのか合唱好きの集団のような…)の合唱
  • 小学生による合唱団の合唱
  • 海外の中学生の合唱

自分たちの合唱と先輩たちの合唱しか知らない生徒たちは、感じるところが多いようです。

このねらいは、固定観念を取り除いて、自分たちの合唱のゴールを自由に創造する土台をつくることです。

自分たちの状況を知る

次は戦力分析です。生徒たちと自分たちのことを見る取組です。

  • ピアノを弾ける生徒はいるか?どれくらいの難易度の曲に挑戦できるか?
  • 音楽的に長けた生徒はいるか?
  • ソロで歌えるほどの歌唱力の持ち主はいるか?
  • 音を外さずに、大きな声で歌える生徒は誰か?
  • 歌が苦手で、自信をもって歌えない生徒は誰か?
  • 大きな声を出せるが、音をとるのが苦手な生徒は誰か?

ピアノや音楽的に長けた生徒のところは真剣に行うが、その後は面白おかしく話し合いを進めていきます。

ピアノが弾ける生徒がいない、もしくはピアノは弾けるが難易度が高いと自信がない場合はアカペラの曲に挑戦する可能性が出てきます。

また、戦力分析で自分たちの現状を知ることで、当然目指すべきところが変わっていきます。

イメージ合わせ

「どんな合唱を創りたいか」「どんな合唱活動を展開していきたいか」「合唱を通してどんな思いになりたいか」などの意見を出し合います。

この時、僕はある程度まとまった量の作文をしようと提案します。

作文は、ある程度まとまった量の文章を書くように促すといいでしょう。それは、短いと便利なフレーズだけが文字になることが多いからです。例えば「優勝」「努力」「団結」「協力」・・・。「しっかり」「喜ぶ」とかもそうです。それらのフレーズの中身を表出させる必要があるのです。

作文を眺めるだけでも効果があります。僕は、立場のある係の生徒に、代表的な作文をいくつか読んでもらうことにしています。

そうすれば生徒は、自分たちの仲間が「こんな思いをもっているんだんな」と感じることができるのです。

選ぶ視点づくり

イメージを共有した生徒たちは、選曲に入っていきます。ただし大切なことは、視点をもって曲を聴くことです。

そのために、今までの活動を学級委員と担任がまとめ、視点を語れるようにしておきます。

「これから曲を何曲か聞きますが、視点をいくつかまとめました。まず、ピアノの難易度は問いません。伴走者の○○さんは、どんな曲でも全力をつくすと言っています。曲想は、明るいもの、暗いもの、どんなものでも構いません。ただし、自分たちのよさでもある迫力を出せそうな曲がいいと思います。ソロはあってもなくても問題ありません。音楽の先生もこのクラスなら何人か歌える子がいると言っていました。どうでしょう?疑問点や意見はありますか?」

「優勝できそうな曲を選ぶんじゃないの?」

「それは結果です。自分たちのイメージを大切にして、思いを込めて創り上げることが優勝につながるので、選曲では「どの曲なら優勝できるか?」ではなく、「どの曲が自分たちのイメージに合うか」に焦点を当ててください。」

まとめ

合唱コンクールの選曲は、選び方どうこうの話では、生徒は成長しません。

選んだ根拠を話し合うところに成長があります。

何かを選ぶとき、ゴールを見据え、条件や状況を考えて、結論を出していく。

複数人以上で選ぶときは、思いの共有や理解、時には妥協、歩み寄りが必要になります。

そこが学びであり、成長であるのです。

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