担任の先生は、様々なことを同時に進めなければなりません。生徒と過ごしながらも、来週の活動の準備、来月の行事の提案…。それを可能にするのが複数ラインのカレンダーです。
担任の先生は、複数のことを同時に進行させていく技術が必要です。
例えば、学級全体では、合唱の練習に熱が入っているが、同時進行で個々に進路相談をし、さらに研究発表会に向けて生徒と思いを共有しなければならない。そこに担当の委員会の取組が入ってくる。
そんな忙しい期間は「やることがたくさんありすぎて回らないよ」などと、愚痴を言いたくもなることがあるのではないでしょうか。
しかし、ベテランの先生方はそれを涼しい顔で切り抜けていく。
そこには、経験に裏付けられた計画が頭の中にあり、絶えず優先順位をつけながら調整して仕事をしていることが分かってきました。
その優先順位、調整は別の機会にして、今回はベテランの先生方が頭の中でつくっている計画を初心者でも見えるようにしていこうと思います。
ある学級担任のカレンダーを作りましょう
例として、3年学級担任で専門委員会顧問、卓球部顧問のある月のカレンダーを一緒の作ってみましょう。
エクセル系の表計算ソフトを使うと便利です。
大枠をつくりましょう。
1行目には、A列から、日付、曜日、行事予定、学級の活動、専門委員会、部活動とします。
アウトプットを考えると、1枚に印刷するのがいいので、A3にします。
また、どんどん付け足していくので、あまり枠の大きさを最初から指定しない方がいいと思います。(最初は適当に。

必要な行事予定を入れ込みます。
学校版は、自分に必要なものばかりではありません。
教務主任からが多いと思いますが、月行事予定をコピーして、自分に必要のないものを削除しましょう。
※ 関係ないと思っていても、場所の関係や人の被りがあります。校内の行事はできるだけ残します。(委員会を行いたくても場所が使われていたり、スピーチコンテストに学級の生徒が出場する時は、その生徒と打合せができません)

② 学校の活動をリードする生徒
この生徒たちは、学級の生徒よりも早く動き出し、学級の振り返りの後に自分たちのリードを振り返ることになる。
よって、2週前に担任とミーティングを行い、学級に働きかけるリハーサルを行う。必要があればポスターを作ったり、道具の準備をしたりする。それにより前倒して活動することにもなる。
そして、1週前に学級の働きかけ、学級の仲間と共に活動し、1週後に振り返る。
また、2週後には、自分たちのリードがどうであったかを振り返って、自分たちの力にしていく。
③ 担任
リーダーとのミーティングが活動の2週前なので、3週前には、リーダーの働きかけから振り返りまでをイメージし、計画し、準備が必要である。
また、生徒会活動であれば、生徒会顧問や学年主任とコミュニケーションをとり、活動の見通しを擦り合わせることもやっておくといい。そうすれば、暴走とか、単独行動とか、出し抜くとか言われない。
④おまけ・・・生徒会顧問や学年主任
担任が3週前に動き出せるように、4週前には、担任が全ての活動をイメージできるように、全計画を全担任に共有しておく必要がある。
そして、生徒会役員や学年委員が、各学級委員にどう働きかけていくか、どう途中経過を公報して盛り上げていくか、どう振り返って、生徒会の力として位置付けていくかを計画していく。
余談ですが
イベントや行事は、学級の活動が表面的に盛んになり、それを利用して生徒を育成するチャンスである。
そして、「この時期は、行事があまりないから学級が盛り上がらない」と言った発言をする先生がいるが、僕は心の中でいつも否定している。
活動が重なる時期はあっても、行事がない時期なんて、多くの公立中学校ではない。ただ、表面的な活動がないだけである。
例に出した清掃強化週間のような、ちょっとした活動でも1カ月がかりの仕掛けなのだ。
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