4月は、やる気を抑えて、落ち着いて学級経営をしてみましょう。
4月、新しい学級のスタート。
今年度こそは…、スタートで失敗しないぞ…なんて気合が入るものです。
やる気に満ちているのはいいことです。しかし、過剰に頑張りすぎてはいけません。
スタート前に少し立ち止まって考えてみましょう。
「黄金の〇日間」…「最初が肝心」…ではありません。
「黄金の〇日間」ということを、誰が言い出したのだろ。そして、多くの担任の先生が振り回されたんだろう。
これを信じたら、スタートだけに気合いが入ってしまう。ただでさえ『掛かり気味』になっている年度初め、もっともっと掛かってしまう。
昨年度は生徒が言うことを聞かなかったからとか、今年度はこんなルールを学級に浸透させたいとか、いろいろ考えてしまうだろう。
しかし、それが1年間続いたことはありますか?学級は1年間続くものです。陸上で言うと100m走ではなく、マラソン。生徒の実態が分からない、学年の先生方のメンバーとも会ったばかり、そんな中でスタートからダッシュするのはリスクしかありません。
スタートは、冷静に。
1年間で学級を創ります。その1年間は結構長いものです。
自分にできることは、昨年度の学級でやってきたことです。それ以上のものをやろうとすることは、マラソンのスタートでダッシュしたり、自分の未知の領域のペースで走り始めるようなものです。
息切れしたところで、失速し、元に戻ってしまいます。
これは「先生、最初はこんなこと言っていたけど、続かなかったね」という生徒の指摘が待っていることになります。
余談ですが…競馬においても、冷静なスタートを切って、レース展開によって周りを見ながら機会をうかがっている馬が一番強いように思うのは私だけでしょうか。
できることをしっかりとやる意識
「何であなたの生徒は、あなたの言うことを聞くの?」と言われたことがあります。決して恐怖で支配しているわけでありませんが、そう思われていたようです。
経験を積むにしたがって、生徒と担任の信頼があり(誤解される言い方だが)「生徒が言うことを聞く先生」には共通点があるように思います。
それは、小さなことでも、それを生徒が納得できる理論があり、それを言い続けたり、やり続けたりすることだと思います。
例えば、「授業のあいさつは全員がしっかり立ってから」「靴を揃えてロッカーに入れる」「鞄をロッカーに入れるときは紐をたらさない」「日記は必ず3行書く」とか…。
出来ないことを無理にやろうとすると、逆効果になってしまう。
「今年度は、毎週学級通信を出します」「毎朝黒板にメッセージを書きます」などは言わない方がよいいと思います。
例外として、前年度学級通信を出し続けたり、メッセージを書き続けたりできたらOKです。(それも年度の途中から勝手に挑戦し、年度末まで無理なく続けられたら翌年度学年を通してやってみるのはアリだと思います)
やっていなかたことを、(勢いで)(学級にかける思いを伝えるために)頑張ろうとしてしまうつ、かなりキツイ縛りを自分に課してしまうことになります。さらに、その宣言に囚われてしまうことにもなってしまいます。
宣言することのデメリットは、出来なかった時には、生徒の信頼を失うこと。宣言の内容(毎週出すことや、毎朝書くこと)が目的になってしまうことです。
まとめ
『黄金の〇日間』は、ないと思います。スタートダッシュはいらないと思います。
やるべきことは、昨年度出来るようになった日常のこと、習慣になったことだけです。その日常を少しずつ充実させて、みんなでワクワクしようって思いながら、話しながら、生徒と共に創り上げていけばいいのではないでしょうか。
新しいことをやるならば…
年度初めはお勧めしません。年度の途中から挑戦し、その仕事を習慣化しておく必要があります。年度途中であれば、失敗のリスクは背負うことはありません。挑戦し、失敗したら止めればいいだけですから。
新しい学級になり、どんな関わりが生まれるかドキドキハラハラの4月。生徒の思いや意識を捉えることに必死なスタート。そんな一番難しい時期に挑戦するのは無謀です。
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