働きアリの法則から学ぶ:担任の本来の役割とリーダー育成

働きアリの法則というものを知っていますか?

アリの集団では、積極的に働くアリ2割、普通に働くアリ6割、働かないアリ2割であり、その割合「2:6:2」は変わらない。

要するに、積極的に働くアリが、何らかの理由で数を減らすと、残りの8割から積極的に働くアリが出てくるというのです。

そして、それは人の集団生活も同じ現象があるという説があります。

ミスタ

社会心理学や組織行動学などの分野では、リーダーシップや組織内の役割分担、チームの構成員間での労働分配などが研究されています。これらの研究において、集団や組織内での役割や責任の分担に関するパターンや法則が探求され、アリの社会性昆虫の行動との類似性が指摘されることがあります。

それならば・・・学級集団に応用してみようじゃありませんか

結論

学級のリーダーは生徒であるべき担任はリーダーになってはいけない

では、行きましょう。

目次

担任がリーダーをしている学級

生徒の活動時に、担任が先頭に立って、指示を出したり、鼓舞したりする姿を見たことがありませんか?

例えば、次のような姿

  • 「~しなさい」と細かいところまで指示を出している。
  • 体育祭のとき、生徒の中心になって「絶対勝つぞ~」などと叫んでいる。
  • 帰りの会で、学級委員の生徒が話した直後、担任がさらに上から話をしてしまう。
  • 担任が、学級の中心になってしまっている。ひどいと学級目標が「○○組」…○○は担任の名前。

担任は、生徒に影響力があるべきです。しかし自分がリーダーをなってしまえば、リーダーになるべき生徒の1人がいらなくなるのです。

働きアリの法則でいう、上位2割の枠を生徒たちで埋め尽くせなくなってしまいます。

デメリットは、まだまだあります。

教師が、リーダー育成の職務に注ぐべき力と時間を、リーダーの役割をするという職務外のことに費やしてしまう。

教師がリーダーの役割をすると、生徒がリーダーをしなくても学級の活動は進行していく。

担任であれば、学級のリーダーを任せよう

こんな発言をよく聞きます。

  • 「僕の学級は、リーダーがいない」
  • 私の学級は、リーダー陣が弱いんです」

学級にリーダーがいても、リーダーがいなくても、強くても、弱くても、関係ありません。

担任は、リーダーとして生徒を教え、導き、支援し、見守り、評価して、育成します。

そこで、一番簡単な育成方法を紹介します。

学級のリーダーを、生徒に任せるのです。

帰りの会にある「学級委員の話」で鍛える

学級委員を鍛えるのであれば、帰りの会にある「学級委員の話」で鍛えられる。

具体的には、次のことができればOK

「先生の話」で先生の言うべきことを、学級委員が話すことができる。

  • 最初は、話のリストを渡して「このことだけは話してね」と伝え、話してもらおう。
  • 徐々に「今日は何を話すべきか、考えて話してみて」と、主導権をシフトしていきます。
  • 評価をします。「来週の活動を見通すと、○○のことは伝えといた方がよかったんじゃない?」「今日の話はよかったね。僕の言うことなくなっちゃったよ」
  • 先生の技を教えます。「具体的に、名前やエピソードを交えて語ると、みんなに内容が入っていくよ」「共感や、受容から入るといいよね」「自分を主語にする「アイメッセージ」が効果的だよ」
ミスタ

任期の終盤には「先生の話」のコーナーは、必要なくなっていきますよ。そんなとき、学級委員の成長を実感することができるでしょう。

司会を任せることで鍛える

司会の責任とは何か?

それは、その活動がスムーズに進行することでしょう。

そのためには、集会などの次第を上手に読み上げることではありません。

  • 集会が時間通りにスタートするために、司会は上手に生徒を活動隊形に誘導しなければなりません。
  • 集会中は、活動がスムーズに進行するように、活動が滞ったり、トラブルが起きたりしたら対処しなければなりません。
  • 集会終了後においても、全員が移動を終わらせるまで仕事は続きます。

それを指導するのです。できれば、リハーサルをしてあげましょう。

委員や係は活動のリーダーとして育てる

具体例を1つ挙げます。

身体測定において、保健委員を育てよう

4月や学期のはじまりに必ずある身体測定。そこでは保健委員のリーダーシップを育てるよい機会です。

  • 担任が、保健委員と学級に、身体測定は保健委員がリーダーであることを伝えます。
  • 保健委員は、事前に身体測定の準備を担任と一緒に行います。
  • 保健委員は、身体測定の流れを把握し、予想される生徒の動き(みんな素直に動くわけではなから)を予想し、その対処法を把握します。
  • 前日、保健委員が身体測定の流れを学級に伝えます。
  • 当日朝、保健委員が身体測定の注意事項を再確認します。
  • 身体測定時、保健委員が集合から解散まで、活動のすべてを誘導します。
  • 帰りの会で、保健委員が学級に身体測定のことを語ります。

担任は、保健委員が頑張る姿を演出してあげよう。

まとめ

僕は、最初の頃、学級のリーダーのようなことをしていたと思います。

そうすると、学級委員などは、指示を出したり、注意したりしますが、リーダーには程遠く、全く成長することはありませんでした。

きっと、担任のお手伝いをしている程度と、学級委員や学級の生徒も感じていたのでしょう。僕の後ろ盾で学級委員が活動していただけかもしれません。

僕は、先輩教師の指摘で、幸いにも担任の役割を問い直す機会がありました。

「担任として、何をしたいの?」「何をすることが担任の責任なの?」

担任は、生徒を育成することに責任をもちます。学級の活動が滞りなく、スムーズに進むことではありません。

さあ、リーダーを育てましょう。

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