学級経営の1つの手段である学級通信。コツをつかめばとても有効なツールです。
- 学級通信が途切れない学級は崩壊しない。
- 学級通信は、学級の立て直しに一役買う。
- 学級通信は、学級を集団として向上させる一つの手段。
- 学級通信は、担任の考えを言語化してくれる。
- 学級通信は、担任の考えを整理してくれる。
いろいろ効果が見込める学級通信。まずは書いて発行することが大切ですが、多少なりともコツをつかんで書いた方がいいと思います。
1回の学級通信に、言いたいことは1つ。
担任として学級の生徒には、いろいろなことを言いたいものです。学級通信を書いていると、それが文章に反映されてしまう時があります。
要するに、いろいろなことが盛り込まれすぎて、何を言いたいのか分からない通信になってしまうのです。
通信を書く前でも構いませんし、書きながらでも構わないので、自分の生徒に対し、この通信で言いたいことはこれだ、というものを明確にしましょう。
誰に向けて書きますか?保護者向け、生徒向け?
学級通信を発行する目的に言及しなければならないのですが、僕は生徒向けに書くことをお勧めします。
学級通信は、生徒との対話の1つであるという捉えをしているからです。
そして、生徒向けに発行した学級通信は保護者も読むことが多くなります。それが家庭で話題になれば、さらに発展が見込めます。
人は誰でも、上からものを言われたくないものです。
全て分かったような書きぶりをしない方がいいでしょう。
例えば「落ちてるゴミを拾おう」「ゴミが落ちていたら拾うべきだよね」と書くよりも、生徒が拾っている事実を捉えて「ゴミが落ちていたら拾うってすごいよね」と書いた方がよいと思います。
人は、偉そうに上から言われると反発してしまうからです。
担任の先生の方がゴミを拾っているだろうし、よい行いをしていなければならないでしょう。しかし生徒を前にしたら「君たちはすごいなぁ。感心するよ」と、とぼけることは常套手段なのです。
言い換えれば、横から、下から、俯瞰して、生徒のよさを目立たせることを考えればよいのです。
よい言動が定着していくことをねらう。
教室に落ちているゴミを日常的に拾う生徒たちになってほしいなぁ、と先生が考えているとしましょう。そして、ゴミを拾っていた生徒がいます。これを、どう褒めるかが先生の技術なのですが、次のどの手段をとりますか?
①帰りの会でゴミを拾った生徒を褒める。
②ゴミを拾った生徒の友達に「あの子、素晴らしいね。ゴミを拾ってくれていたよ」と言う。
③学級通信で取り上げる。
僕は、状況に応じて②か③の手段をとります。 ②は、先生が本心で褒めているという真実味が伝わりますが、表面的な言動を強化することになります。ですから、その生徒に「先生は、あなたのことを素晴らしいと思っていますよ」というメッセージを送りたいときには便利です。
③は、気をつけなければ②のような真実味がなくなりますが、ゴミを拾ったことの素晴らしさを深い視点から論じていけば、ゴミを拾う元にある心を褒めることが出来ます。 そうすると、ゴミを拾うことを強化するのではなく、他の生徒のことを思う心や、よい学習環境をつくろうとする心、モノを大切にする心などを強化することができます。
その結果、他の生徒のことを思う心が、ゴミ拾いだけでなく、整理整頓であったり、仲間へのやさしい言葉であったりと、様々なあらわれになって出現することがあります。 学級通信には、そんな効果があるのです。
学級通信の書き方
僕の一番多いパターンは、次の通りです。長年、学級通信を書いてきて、このパターンが一番効果的なのだろうと考えています。
①生徒のよい言動の事実を書く。
②その言動の素晴らしさを論じていく。
③その言動の素晴らしさを別の視点から論じていく。
④その素晴らしさを捉えた生徒を紹介したり、褒めたりする。
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