指示を出すことに酔っていませんか?:教員の役割とバランス

ミスタ

教員は、生徒に指示を出す場面が多くあります。
それは気持ちいいものです。

ミスタ

しかし、それが生徒たちの成長につながっていますか?

指示を出すことも、生徒の成長に影響するの?

ミスタ

はい。
成長を促すものと、成長を阻害するものがあるんです。

この記事を読んで分かること
  • 指示を出すことは、生徒の成長に関わりがあることが分かる
  • 指示を出すことで、生徒の成長を妨げることがあることが分かる
  • 生徒が納得する指示の出し方の具体が分かる。

人は、自分の思い通りに物事が進むと、喜びを感じるものです。

その相手が人であると尚更です。自分の言葉に、他の人たちが従ってくれている。とても気持ちのいいものです。

しかし、この状況は2種類に分けられます。喜んで従っている場合イヤイヤ従っている場合です。

目次

生徒の成長を考えて、指示を出しましょう

教師の指示に、生徒がイヤイヤ従っている例

ある先生が、卒業式練習の司会をしていました。

「一同起立、礼」生徒は号令に従って起立し、礼をします。調子に乗った(と僕には見えた)先生は「全員が揃っていない。やり直し‼」生徒は号令に従っていました。

生徒も先生も頑張って練習をしているかのように見えます。しかし、僕を含め何人かの先生たちは冷めていました。そして、僕ら以上に生徒たちは冷めていたように見えました。

それはなぜでしょうか?

卒業式は、生徒にとって中学校生活最後の行事。素敵な卒業式にしたいものであることには間違いありません。だから、生徒たちは号令に従っているだけなのです

しかし号令を出した先生は、生徒たちの心を分かろうともせずに、自分の言葉に3年生全員が文句を言わずに従ってくれることに気分を良くしてしまいます。

どんどん声に張りが出てきます。張り切れば、それだけ生徒たちや僕らの心が冷めていくことも気づきません。

なるほど。
生徒の活動意欲に影響が出るんですね。

教員なら、自分の立場を考えましょう

卒業式を例に出しましたが、全ての活動において主役は生徒たちです。生徒たち素晴らしい姿をコーディネートしたり、生徒の心の成長を加速させたりするのが先生たちです。

それを前提にすると、卒業式において司会を担当する先生は「みんなの素晴らしい姿を創り出すために、(偉そうだけど)僕が号令をかけるからね」という思いでいるべきだと思うのですが、どうでしょうか。

さらに僕は「僕の号令に従いたくない人もいると思う。でも(これが僕の役割なんだ)みんなで素晴らしい姿を創るために言っているんだ。悪いけど、嫌な感情を捨てて、合わせてくれ。」という思いをもって臨んでいます。

指示を出すのが教員の役割であるのかも知れないが、指示に従わせる役割であるような解釈を考え直してみませんか。

生徒のひねくれた思いに気付けるセンスを磨きましょう

学級に、生徒が35人いれば、35人が同じ思いで活動することはありません。そして、全員が前向きな思いをもっていることは稀でしょう

「今度○○活動をすることになりました」と、提案があったとしましょう。

生徒の思いは「やってみたい」「楽しそう」「頑張ろう」だけではありません。「面倒だ」「やってられない」「そんなこと意味ないじゃん」と、言葉に出さずに思っている生徒がいることでしょう。

担任の先生は、その思いを無視するのではなく、そんな思いを事前にイメージしておくとよいでしょう。

担任の先生が「じゃあ、○○活動をみんなでがんばろう」と言うのと、「めんどくさいって思う人もいるかも知れないが、…なんだから○○活動をみんなでがんばろう」と言うのでは、生徒の心の中は全く違ったものになってきます。当然、後者の方が充実します。

要するに、生徒の思いを捉えようとしている担任の先生か、そんな思いを無視する担任の先生かを、生徒はこんな所で見透かしているのでしょう。(生徒だけでなく、人はみんなそうなのかも知れません)

理由もなく、誰かの指示に従うのは、自分たちも嫌なはずです。

偉そうにしているだけの校長の指示に、気持ち良く従う先生はいませんよね。

「この指示を出すと、先生たちは忙しくなる。それを分かっているけど、学校運営上大切なことだからお願いしたい」と言う校長の指示は、先ほどよりも従う気持ちになるものです。

余談ですが…「指示待ち人間」などと括られる人たちがいます。この「指示待ち人間」は何を待っているのか知っていますか?自分が出来る範囲の指示なんです。難しかったり、納得できなかったりする指示に素直に従う「指示待ち人間」は見たことがありません。

「指示を出すこと」は、学級委員の仕事ではありません。

生徒の活動に視点を移しましょう。

学級委員の仕事の一つは「指示を出すこと」などと言う生徒がいます。そんな時は、しっかりと突っ込んで、訂正していきましょう。

指示を出すこと」は、手段です。その手段を取るに至るまでに熟考したり、相談したり、判断したりします。それこそが学級委員の仕事です。その結果、最終的に「指示を出す」ことを手段として有効であるならば「指示を出す」ことをしていくのです。

言い方を代えて言うならば「みんなが納得する指示が出せること」が学級委員の仕事ではないだろうか。

それ以前に、ちょっと無茶な指示でも「お前が言うならやってやるか」と仲間が従ってくれるだけの人物であるために、日々仲間のために行動するのが、学級委員の仕事であると思います。

まとめ

「指示を出すこと」や「従ってもらうこと」は、とても気持ちがいいものです。

その気持ちよさを求めて学級委員に立候補する生徒もいるでしょうし、偉そうに指示を出す教員もいるでしょう。

しかし、それでは生徒たちの心や、先生方の心は離れていきます。(司会などで)前に立つ人間は、みんなの思いや自分の立場を考えて発言していきましょう。

そうですよね。
私も生徒に指示を出すときには注意しようっと。

ミスタ

プロの先生なら、
いつでも、生徒のことを考えた発言が求められるんです。

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