本番に向けて、練習で鍛える。

当たり前のことをタイトルにしてしまいました。しかし、その逆をしている先生も多いのは事実です。

例えば、1泊2日の宿泊研修。担任は当日までのスケジュールを学年の先生と共に立てます。そして、スケジュール通りに実行委員会を行ったり、しおりを作ったりします。

当日、いつもよりテンションの上がった生徒たち。担任は一気に不安になり怒る、怒鳴る。不要物を持っている生徒が出て、説教。夜の短学活では、反省点ばかり。「明日はしっかりやろう」という担任の言葉。

逆ですよね。

目次

育成することは、スケジュールに書いてない。

こんな時のスケジュールは、多くの場合、最低限のToDoリストと認識しましょう。いつまでに、こんな会合をもっておく。これを決める。これを作る。

それをこなせば、それなりの力はつきます。しかし、単にこなすこことで満足していたら、成長できる機会を逃してしまいます。

生徒が考える機会は、担任が意図してつくる

決して「〇日の学活で、今までの取組を振り返る話し合いをする」ということではありません。それでは、先ほどのToDoリストと同じです。

「生徒が考える機会」になるよう”チャンスをうかがう”ことから始めてみましょう。

例えば、適当にやっている話し合い活動とか、研修当日を意識できていない点呼の練習。自分勝手なことをやっている生徒がいる帰りの会。他人に頼りっきりな係活動。

これらは、「生徒が考える機会」になるような出来事です。これを捉えていく必要があります。

鋭く、生徒に指摘する。

「帰りの会の最中に勝手なことをやっている生徒がいる。それを分かっていて放置しているのか、気づくことさえないのか、そのまま帰りの会が進んでいる。これでいいの?宿泊研修では、学校の外で活動するんだよね。臨機応変に行動しなければならない時もあるだろう。情報が伝達されるべき時に、勝手なことをやっている子がいて、次の集合場所で1人いなかくてもいいの?」

もっと鋭く

「自分もみんなも安全に、安心して、楽しく学べる研修にしたいよね。学校の外で、心がワクワクする状況になるのに、今できないことが、研修できるの?」

「周りの人が勝手なことをしているのに、それを放置している人は、なんて自分勝手なんだ。自分はしっかり参加しているから、自分は情報を捉えたから、周りの人は情報なくて困ってもいいの?それで、自分もみんなも笑顔で学ぼうなどと言ってるの?」

そして生徒に語ってもらう。

「どう思うの?学級委員」「どう思うの?1班班長」と。立場ある生徒から語る機会をつくるといいでしょう。

そして、「他の人はどう思ってるの?」と聞いていくのです。

正論だけでなく、ちょっとひねくれた意見も出るかも知れません。それも大歓迎です。

「勝手なことをやってる人が悪いんだよ。」

「そう言ってるけど、みんなどうよ?」とつないでいきます。時間がなかったり、収拾がつかなければ、「じゃあ、このことをよく考えて、周りと話してもいい。今日の日記に思いを書いておいでね」と終われば、翌日に持ち越せるのです。

「考える機会」こそが生徒を鍛える

担任の指摘、なかまの思い、なかまの意見のやり取り、それらが生徒の心に刺さっていきます。

「自分だけ真面目にやれていればいいと思っていたけど、そうじゃない。自分もみんなも安全で安心で楽しくなるためには・・・。」

こんな機会が生徒を鍛え、取組を充実させます。指摘の鋭さ、考える深さは、その後の取組みに比例します。

そうやって鍛えるから、担任は自信をもって研修に出かけられるのです。多分、怒ることよりも生徒の言動に感動するでしょう。

どんな活動でも同じ。

運動の部活動。練習では、練習するだけで、練習試合で怒鳴りちらし、大会で怒鳴り散らすのはダメだ。誰の何をどのように成長させたいのでしょう。

学年集会のような小規模なイベント。前日リハーサルで、立ち位置と語る言葉を確認して本番を迎えたら大変です。何も鍛えられていないのですから。

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