先生が頑張るべきところは、何かが起きた後よりも、起きる前の方です。
こんな担任の先生の先生がいました。
学級委員を選挙で決定した後、落ちた生徒の保護者から苦情の電話が入りました。「決め方について疑問があるのですが…。」「落ちた後、フォローも何もないのですが…。」
先生は「すみませんでした。明日、決め方について、もう一度話します。フォローもしようと思います。」と。
保護者に対応した後「選挙で決めたんだから、仕方ないじゃん。」「フォローはしてあげれば良かったかな。」とつぶやいていました。
もう一つ例を。
高校のオープンスクールの申し込み。学校への申し込み期限が過ぎた後「今からでも申し込みできますか?」という保護者からの電話。
担任は「高校に聞いてみましょう」と回答。そして「今になって言ってくるのはダメだよね。生徒も生徒だけど、保護者も保護者だ」とつぶやいていました。
頑張って対処しているものの…
2人の先生の出来事を例に挙げましたが、これらは『出たとこ勝負』なのは分るでしょうか。
保護者からの電話があり、それに対処しようとしているのです。このようなやり方をしていたら、この先生方は、これからもずっとこの様な失敗を繰り返すことになってしまいます。
しかし、事前に予期できない場合もあります。予期できないことが起こってしまったら、頑張って対処して、そしてこう考えましょう。自分の仕掛け(準備)で何か不備があったのだ。だから苦情が来たり、期限が守れなかったのだと。
褒めることも、計画と仕掛けを‼
問題が起きないように、苦情がこないように、生徒から反発されないように、生徒や保護者が理解と納得ができるように、そんな思いで計画や仕掛けをすることも大切でしょう。
また、この考え方は、褒めることにも使えます。
生徒の言動を褒めることを想像してください。多くの先生は、生徒がよい言動をしたら、言葉に乗せて伝えていくことをイメージすると思います。
このことは、先ほどから言う『出たとこ勝負』であることが分かるでしょうか?
何か起こってから対処しているのと変わりません。起こらなければ、褒めることができないと言うことです。
先生の頑張るべきことは、例えば次のようなことを考えて実行することです。
①こんな言動を褒めたい。②その言動を生徒がするにはどんな仕掛けをすればいいか?③先生が仕掛けたと思わせないためのカモフラージュをどうするか?④その生徒に効果的な褒め方は何か?
出来事の後処理はたいへん、出来事の前を考えることは…
出来事の後に対処することは、とっても大変なことです。考えてみれば、どんなことが起こるのか予期できず、思いもよらないことに時間を割かれるということなのですから。
先生によっては、今日は用事があるのに、保護者からの電話がきてしまうこともあるでしょう。
当然、対処している時の気分もよくありません。
一方、出来事の前に計画し、仕掛けを考えることはどうでしょう?
生徒の生き生きとした言動や、凛々しい言動を創り出すことを想像して計画したり、仕掛けたりします。生徒の言動が楽しみでワクワクしてきますよ。
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