「生徒をしめる…」と言うけれど。

あまり好ましい表現じゃないですよね。でも、教員の中ではよく使われる言葉です。

「ちょっと緩んできたなぁ。そろそろ締めないと…。」のように使います。

生徒の気持ちが開放的になっていたり、自分勝手な行動が増えたり、意識が学校生活や仲間に向いていなかったりと気持ちが緩んでいる状態から、引き締まった状態に戻すための手段と言うべきでしょうか。

生徒が、今の自分たちの言動を振り返り、緩んでいた気持ちに気付き、その後の言動を自重する方向にもっていきたいのですが…。

目次

失敗例をひとつ

休み時間の過ごし方が気になり始めた担任の先生は、帰りの会に語ることにしました。

「休み時間になると、教室で走り回っている、廊下で立ち止まって話している、チャイムが鳴っても席についていない、教科書も出していない、授業が始まってからもトイレに行く、そんな姿がある。それでいいの?みんなの迷惑にならないように、もう少し考えて休み時間を過ごそう。」

何が失敗か??

生徒は、これらの姿をダメだと感じていない可能性が高いからです。

当然、「先生の言う通り。そんなんじゃだめだ」と思っている生徒はいます。ただ、そう思える生徒は、チャイムで席についていないなんてことはありません。

どうすれば生徒は自分たちの姿を振り返るのか?

まず、担任としてのあなたが「今の休み時間の過ごし方は心配だ」と感じる根拠を考えましょう。

「なぜ心配なのか?」「なぜ、教室で騒いではいけないのか?」「なぜチャイムの前に席についていなければいけないのか?」と自分に問うことです。

担任によっては、心配の内容が違います。学力のことなのか、人間関係のことなのか、個人としての生き方のことなのか、安全に関わることなのか。

それらは、複合されていてもOKです。自分の理論を確認する作業をします。

「教室で騒ぐことは、怪我につながるかも知れない。今、みんながそれに気づき、自分たちの行動を変えていかなければ、取り返しのつかない怪我をする人が出てしまうことが、担任として心配なんだ。今は幸い怪我人は出ていない。しかし・・・」

そしてお決まり、生徒に意見を求める

「どう思う?」と、生徒を指名します。

指名は、学級委員から始まり、何人かを指名します。

指名する生徒のポイントは、

  • 始めに正しいことを答えてくれるだろう学級委員がいいだろう。
  • 男女の偏りをなくす。
  • 騒いでいた生徒の1人を入れる。

指名だけでなく、挙手を求めてもOK。

生徒の口から「これでは心配だ」「落ち着いた生活をするべきだ」と言えるようにしたいのです。

「やっぱり、そうだよな」

担任は、「なるほどね」「そうだよな」と言っているだけです。

すでに生徒の意見になっているからです。

学級通信で言葉に残しておいて、効果の持続を狙ってもいいでしょう。

先生が怒ることは効果的か考えよう。

怒ることに効果がないとは言えません。情熱や真剣さは伝わります。

しかし「何怒ってるんだろう」「そんなに怒ることか?」となっては、逆効果です。

目的は何か?そのために大切なことは何か?

生徒が、自分たちの生活を振り返り、その時からよい生活を送ろうと思うこと。それが出発点。その出発点にまずは辿り着きましょう。

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