帰りの会は毎日あります。学級が一同に集い、学級独自の活動ができる、この自由度が高い時間。それが毎日15分ある。1年が約200日なら、3000分。それはそれは大きな差ができることになります。何を目的に、どう運営していくのか一緒に考えましょう。
あなたの学校の帰りの会は、毎日何分ですか?
10分か、15分が一般的だと思います。
この帰りの会をどう運営するかで学級の成長度が違ってきます。
学級が一同に集い、学級独自の活動ができる、この自由度が高い時間。この帰りの会を、生徒たちの成長にどう役立てるか、それは先生の腕の見せ所なんです。
担任としての目的
「帰りの会は何を目指しますか?」
経験の浅い担任は「一日を振り返る」とか「明日の確認をする」「係活動を充実させる場」などと答えると思いますが、これらは手段であって目的ではありません。
では、目的はどのようなものかと言うと、「学級という集団の自己調整を通した生徒たちの成長」といった感じがよいのではないでしょうか。
自己調整は、昨今の教育界のキーワードの1つですが、その集団バージョンという感じだろう。そんな帰りの会を、僕はこんな感じで仕掛けています。
これから、数ある手段(型)の中から僕のお勧めするものを紹介しますが、目的(生徒の成長)は見失わないように読んでください。
会の要:司会者は固定する
学級活動で話し合いを仕掛けるとき、多くの場合は学級委員が司会を務め、綿密に打ち合わせてから話し合いに入るだろう。帰りの会も短学活と言われるだけあって、学級活動の一部です。そこで充実した話し合いをしなければ、生徒の成長はありません。
そこで僕は、司会を学級委員に固定することをお勧めします。
学級委員には、帰りの会はこんな運営をしてほしい、と願いを伝えたり、意見を聞いたりしてから帰りの会に臨みます。先生が話さなければならない時は、「終わり〇分自分に時間を残しといてね」と伝えておきます。
メニューなるものは作りません。
①あいさつ ②係からの連絡 ③授業の振り返り・・・僕は、そのようなメニューをつくりません。
最初は生徒に驚かれるが、そのうち慣れてきます。そして自由度の必要性に気付くときがきます。
翌日の予定を確認しないのか?配布しなければならないものは?などと思うでしょう。
しかし、それは工夫次第です。時間割、持ち物、HWなどは、予定黒板に書いてあったり、タブレットに載せて共有できます。連絡も同じようにできます。配布物は、会の前や後でも配ることができます。昼休みでもOK。そんな活動は、目的には結びつかないので、できるだけ帰りの会には入れたくないのです。
余談ですが「HW未提出の人が5人います。明日までにやってきてください。」と教科係が連絡したりします。そんなことがあれば、すかさず「それ、該当する子に直接言ってあげて」とか、それでも言う子は「なぜ、みんなの前で言わなきゃならないの?」「それ言う目的は何?全員提出を目指すなら、その子にどこまでやった?何かできないことがあるの?持ってくるの忘れただけ?と話しかけてあげた方がいいんじゃないかな。どう?」と、言ってみましょう。
締めくくりは学級委員の話。
帰りの会の最後は、学級委員の話で締めくくります。
学級委員は、学級の活動を俯瞰して方向性やまとまり、バランス、熱量などを考えて話をします。最初はぎこちないでしょうが、100回(前期、後期で違う学級委員)も話せば板についてきます。
学級委員の話の質が高くなってくると、その後の先生の話は不要になる場合があります。
僕はよく「君たちの学級委員はすごいなぁ、僕が言うべきこと全て話してくれたよ。だからナシ。お疲れさん」と言っていました。
形をつくると、自由度がなくなります。
担任が形をつくることは、司会や最後の締めくくりだけにします。
それ以外は、必要なことを話題に出して、面白おかしく、時にシリアスに話し合っていくんです。そうすれば、独自の進化を遂げて、学年の終わりの頃には、他と違う自分たちだけの空間、自分たちだけの時間が出来上がります。
帰りの会は、担任の実力が表れる場面です。学校の研究発表会に行くことがありますが、帰りの会を覗くと新鮮ですよ。生徒が自分たちの活動を俯瞰し、深掘りし、未来のことを語っている帰りの会に出会うと、自分が中学生に戻って学ぶなら、自分の子どもが学ぶなら、こんな学級がいいなって思えるかも知れません。
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