野球系?サッカー系?:自立した学習者を育てる秘訣

ミスタ

「社会人になって10年間は野球部出身の社員が活躍し、10年後からはサッカー部出身の社員が活躍する」って、聞いたことありますか?

今回は、この話題について論じていきます。

本記事の内容
  • 野球系、サッカー系とは?
  • 学校における野球系の指導とは?
  • 学校におけるサッカー系の指導とは?
  • サッカー系の指導とサッカー系の生徒の育成のススメ

まずは言い訳を。

野球とサッカーを例に出しますが、これらのスポーツを批判するつもりも、それらのスポーツに携わった選手たちも批判するつもりもありません。

代表的なスポーツであり、イメージがつきやすいので、引用しているだけです。

野球部出身で、クリエイティブに活動している方もたくさんいるのは知っているので・・・。

ぜひ、話の芯を捉えてほしいと思います。

目次

野球系・サッカー系とは?

「社会人になって10年間は野球部出身の社員が活躍し、10年後からはサッカー部出身の社員が活躍する」

この言葉は、以前WBC(ワールドベースボールクラシック)の日本代表コーチをしていた方が講演会で話してくれたものです。

以前、僕はある指導者講習会に参加するチャンスがあり、とても衝撃を受けたのと同時に、深く考えさせられました。

その元コーチは、次のように言う。

  • 野球部出身の社員は、従順で、ハキハキしていて、上司の言うことを気持ちよく受け入れて仕事をする。しかし、言われたことはできるが、10年くらいして、自分で発想して、創造することが出来ない人が多い。
  • サッカー部出身の社員は、上司の言うことを聞いているのか聞いていないのか分からない。仕事をするが自分流。それが、10年くらいして、自分で発想し、創造する仕事がまわってくると、力を発揮しだす人が多い。

言われてみれば、分かるような気がします。

野球は、監督がサインを出し、それに従って動くことが要求されるスポーツであり、

サッカーは、常に個人が戦況を見て、チームの考え方や仲間の動きと連動することが要求されるスポーツである。

仕事においては、指示通りに働く社員より、状況を自ら判断して創造する社員が求められるのでしょう

ミスタ

これを学校における指導者の視点から論じていきます。

学校における野球系の指導とは?

ズバリ、生徒を自分の思い通りにしたい先生の指導でしょう。

先生の中には、こと細かに生徒へ指示を出す方がいます。

  • 「1班立ちなさい。廊下に鞄を班長から順番に置いてきなさい」続いて「2班・・・」と。
  • 「ノートを出しなさい。黒板の言葉を左上から1行で写し、赤で囲みなさい」「2行目は、…」
  • 学年集会では、運営する代表者たちに「この学年集会は、これをやります。」プリントを渡し「○○さんは、司会をやって、△△さんは、開会の言葉を言って、…」(全ての台本がプリントに書いてある)

こんな先生たちの思いはこんな感じだろうか。「みんなが秩序を守って活動してほしい」もしくは「余分なことをしないでほしい」

しかし、誰かの指示に従順に従って動くことを生徒は覚えてしまうのではないでしょうか。

きっと、そんな資質・能力を必要とする職業があるのでしょう。しかし、多くの先生は真逆の生徒の姿を育成したいと思っているはずです。

すでに安い言葉になっていますが「主体的に動ける生徒」を育てたいはずです。

ミスタ

指示に対して従順である生徒、余分なことをしない生徒をよしとする固定観念をリセットしましょう。

学校におけるサッカー系の指導とは?

生徒と先生が、ゴールの姿を共有し、生徒たちが活動を創るように導く指導です。

生徒の活動を仕掛けるとき、その手順を全て伝えればスムーズになります。しかし、それでは生徒の思考停止を招いてしまいます。

逆に、生徒が思考し、判断し、表現することを狙って活動を仕掛けるならば、スムーズさを欠くが、成長のチャンスを生み出すことができます。

【具体例】仕掛けは、次のように進めるといいでしょう。

  • 「最終的に、こんな活動になって、みんながこんな思いになるようにね」と学級委員に伝える。手順は示さない。
  • 少し手順が多かったり、複雑だったりしたら、キーパーソンになるだろう生徒に「こんな活動になるだろうから、フォローよろしく」と言っておく。
  • そんな活動の仕掛けであれば、ゴールに向かって、少なくとも手順を考える力はつきます。
  • 先ほどの鞄を廊下に並べる活動を仕掛けるときは「次の授業までに、廊下に鞄を班ごとに並べてほしい。班長よろしく」と言えばいいのです。
  • その活動の様子を観察すると、きっと班長が他の班長と相談したり、順番に並べようと声を掛け合ったり、最後に整頓したりする様子が見られるでしょう。
  • 先ほどの学年集会の例でいうなら「みんながこんな思いになるように15分の学年集会を開こう。どうする?」と代表者たちに伝えます。代表者たちは、内容を考え、プログラムをつくって、役割分担していきます。
ミスタ

時には、仕掛けた担任の想像を超えて、素晴らしいアイデアに出会うこともあります。
担任として、
至福の瞬間です。

サッカー系の指導とサッカー系の生徒の育成のススメ

私たち教師は、VUCAの時代を生き抜き、切り拓くことのできる生徒を育てなければなりません。

そのために、私たち教師も考え方を整理し、指導方法を改善しなければならないと言うことです。

先生が指示を出し、それに従う生徒を育成する時代は終わりました。

生徒が、状況を把握し、自ら学び、協働して、答えを出していく。そんな生徒を育成するために、導き、支えていくのです。

ミスタ

VUCAとは、「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」のこと。軍事用語が、今ではビジネス用語として、一般的に使われています。
V(Volatility:変動性)
U(Uncertainty:不確実性)
C(Complexity:複雑性)
A(Ambiguity:曖昧性)

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