生徒のテストの点数を上げたいのですが、どうしたらいいですか?

「生徒のテストの点数を上げたいのですが、どうしたらいいですか」という質問を受けました。みなさんはどうしていますか?僕の考え方を紹介します。

先日、テストの点数を上げたいとある学級担任から相談を受けました。

校長に「平均点を上げる手立てを講じなさい」と言われたとのことです。

言いたいことはたくさんありますが、テストを実施していることや、高校受験では学力検査があることなどから、ここはストレートにこの悩みについて考えたいと思います。

ただし、すぐに点数が上がるような、魔法のような方法は思いつきませんし、詰め込み教育のようなことはイヤなので、少し遠回りになってしまうかも知れませんが、承知の上で読んで下さい。

目次

点を上げる仕掛けは、教えることではありません。

先生として、生徒の点数を上げるために、どう取り組んでいくかについて、大きく分けて2種類あると考えます。

  • 先生自身が、生徒に何を?どう教えるか?を工夫し、改善すること。
  • 生徒が、学習することを促進し、力をつけていけるような仕掛けること。

そして、どの先生にも共通して取り組めるのが後者です。(前者は教科の特性が絡むので、専門外の教科に言及できないと思うのです。)

『学習する』って?

テストの点を上げるには、生徒が『学習する』ようになる必要があります。

『学習する』とことを定義づけたい方は、ネットで調べてもらうとして、僕は次のように考えています。

出来なかったことが出来るようになる(分からなかったことが分かるようになる)。そのプロセスが学習であると捉えています。

そこで、次のような小テストを活用した取組例を紹介します。

2チャンスのテスト

生徒に次のように小テストを行うことを伝えます。

  • 2回、ほぼ同じ内容、ほぼ同じ難易度の小テストを週をまたいで行う
  • 成績に反映させるのは、あとで行ったテストの点数
  • 何回目を受けるのかは自由

2チャンステスト仕掛けの裏側

  • できないこと、分からないことを自覚する仕掛け
  • 自分のレベルに合わせた学習の促進
  • 友達に教わる、教えるの関係性を構築

多くの生徒は、2回受けることを選択します。そして、1回目でできなかったところを友達に教えてもらっているのです。

10点満点の小テスト(1回目)で7点をとった生徒は、2回目の満点を目指します。ミスなのか、分からなかったのか、自己分析しながら学習します。

同じテストで3点をとった生徒は、満点を目指しません。6点くらいを目指す生徒が多いでしょうか。2回目のテストでは、点数をとれた3問プラス、これだけはできるようにしようと考えて学習します。

自分では、解き方が分からない生徒は、友達に聞きます。友達が教えます。

満点をとった生徒は、2回目を受けません。しかし、教えた友達のテスト結果が気になります。1回でも喜び合えれば、教えることに自己有用感を得ることでしょう。

課題の個別化

分かりやすく、家庭学習を例にとります。(僕は家庭学習なしでもいいと思っていますが)

「今日の宿題は、〇ページから〇ページ」という出し方が一般的でしょうか?

そこを「今日の宿題は、・・・をやってから、〇ページから〇ページをできるところまで」という出し方をしていきます。

家庭学習は、授業につながるわけですから、・・・のところは授業の基礎になるものです。

例えば英語なら「Unit3-1の英文をQRコードで再生して2回聞く。その後、マネして2回声に出す。その後、練習として・・・」と。

課題の個別化の仕掛け

  • 誰でもできる課題に取り組める
  • 分からないものは、1人でやっても分からないので、課題にしない

英文の音読は、ネイティブの生徒以外は全員できない(ネイティブと比較すると)ものであり、誰でも取り組めるものです。

さらに、次の授業で音読を含めた練習を取り入れれば、課題が役に立ちます。

また、分からない問題は頑張っても分からないものです。これを考えていない先生が多いと思います。それは先生方が優秀でできてきたからです。

学習方法について

学習方法は、生徒によって違います。

書くことを中心にするタイプ。つぶやきながら勉強するタイプ。分からないところを地道に調べるタイプ。逆に友達に聞いて理解するタイプ・・・。

(さらにギフテットやディスレクシアの生徒は、学習方法が全く異なってくるでしょう)

ですから、課題においても、授業においても、テストにおいても、学習方法を限定することは、学びを止めてしまう危険性を孕んでいます。

例を出すなら、定期テストの振り返りの授業。テストの後で、長々と1時間授業を使って教師が解説し、生徒は間違えたところを赤ペンなどで直させる。出来なかった生徒は、ただ書くだけ。出来た生徒は、何も聞く必要がありません。

もう一つ例を出すなら、家庭学習1日1ページの英単語練習。英単語を書けて、読めて、意味が分かって、適切に使えることを目的にするなら、この学習方法が全ての生徒にとって適切でなければなりません。

まとめ・・・学びの仕掛け

今回、小テストや課題を例に提案をしてみました。みなさんはどう考えるでしょうか。

手段は無数にあります。ただし、目的から逸脱してはいけません。

点数を上げる手段として、何をするか?僕は、生徒の学びをコーディネートするという手段をとっています。

すぐに点に反映されないかも知れませんが、手段としては有効だと思います。それは目的に沿っていると思うからです。生徒が、じわりじわりと点が伸びていって、友達同士で喜びあっている姿が見られたらう嬉しいです。

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