現行学習指導要領になり、「思考・判断・表現」の観点から生徒の資質・能力を評価することになった。この「思考・判断・表現」について、学級経営の視点から考えてみました。
「思考」・・・考えて、
「判断」・・・判断して、
「表現」・・・表現する
この順番は、人が活動するときはいつでも起こっていると考えられます。
スポーツや無意識の行動は少し違いますが。・・・スポーツで言う「自然と体が動いた」などは、思考・判断を省略して表現しています。
そんな日常で起こる「思考・判断・表現」の力を、僕たちは育成していくのです。
さて、「思考・判断・表現」とはどういったものでしょう?どうやって育成していきましょうか?
「思考・判断・表現」の例から。
例えば、学級委員が帰りの会で話をする場面です。
どの話題を話すべきかな。ただ言っても伝わらないから具体を言わなきゃ。1班のことが例として相応しいが、このところ1班ばかりだからな、2班の具体でいこうかな・・・。
これが「思考」
よし、やっぱり1班の具体を挙げて、この話題のことをみんなに伝えよう。
これが「判断」
「みなさん、1班の昼休みの行動知っていますか。1班の人たちは、自分の時間を・・・・」
これが「表現」
イメージがつくだろうか。「判断」において、やっぱり今日は話さないというのもアリです。また、何もしないことも「表現」と捉えてもいいでしょう。
「思考・判断・表現」の資質・能力を育成の第一歩
それは、機会を与えることと、思考のための情報を与えることです。
機会とは、「表現」の機会です。何か活動がなければ、何も発生しません。『みんなでグラウンドのゴミ拾い』でもいいのです。それをどう表現するのか、しないのか、違う表現に変えていくのか・・・「思考・判断・表現」の流れに乗せるために、流れをつくるということです。
機会ができたら、次に情報です。グラウンドを一緒に歩いたり、グラウンドを眺めたり、直接的なつぶやきもしたり「最近グラウンドのゴミが多いって感じるんだけどさ」と。「○○部が、グラウンドのゴミ拾いやってほしいらしいよ」でもOKです。
そうすると「思考」が始まり、「判断」し、何かしらの行動が起こります。
そこに担任の先生が入って、思考の視点を多く上げたり、生徒の思いつかなかった条件を加えたりするのです。
「昼休みはやることたくさんだよ」「グラウンドは使っている部活で管理してほしいよ」「でも散歩しながらやったら、楽しいし人の役に立つよ」「道具が欲しいよね」「朝の方が喜ばれるんじゃない」と生徒が言うなら、
「午後の授業には遅れられないよ」「道具は学校で用意できるか聞いてあげるよ」「どのくらいゴミがあるんだろう」と担任が加えます。
その後、「思考」が始まり、とりあえず毎日昼にやって、ゴミの種類と多さを調査しながらやろうと「判断」し、次の日からゴミ拾いの「表現」が始まります。
先生の仕掛けるタイミングは、情報提供、視点提供などの「思考」の前です。
そして、行動を観察すれば、「思考・判断・表現」を評価することができます。
評価することができれば、指導することができます。
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