生徒が生徒を見る仕掛け

鵜飼を知っていますか?

ひとりの鵜庄さんが、何羽かの鵜を操り鮎を獲っていきます。その鵜庄さんは、全ての鵜の能力、性格、体調などを把握していると聞きます。鵜庄さんは、船の上だけで鵜に接しているわけではありません。家で鵜を世話し、一緒に暮らしています。

だから、客を魅了しながらも、一羽一羽につけられた縄一本で結ばれた鵜は、鵜庄さんのたくみな縄さばきで、鮎をたくさん獲ってくるのですね。

ここで質問です。あなたと生徒たちは、どんな関係でしょうか?鵜飼の状況に似ていますか?1人1人との関係が良好ですか?

自信をもって「Yes」と答えられる先生は素晴らしいと思います。しかし、それだけではいけません。もう一味付け加えませんか、という提案です。

目次

先生は、友達にカナワナイことがあります。

人に褒められるのは嬉しいものです。

でも「先生に褒められた」と「A君が僕のことを褒めてくれた」では格段の差があります。だから、友達が褒めるように仕掛けていけば、とっても効果的なのです。

例えば、休んでる子のプリントを整理していた生徒がいました。

帰りの会で、このエピソードを紹介したり、学級通信に載せたり、その場で褒めたりするという、直接的な褒め方が一般的でしょう。

しかし、これを別の生徒に「○○さんが、休んでる△△さんのプリントを整理してくれたたよ。△△さんは、学校に来た時に嬉しよね。気にしてくれる人がいるんだもんね」と伝えます。

間接的に褒めるんです。

これは、いつ発動するか分からない仕掛けをセットしたことになります。

いつ効果が表れるか分かりませんが、ある時「お前、いいやつだよな。先生も褒めてたよ」と伝わっていきます。

褒められた生徒は、先生は私のことをそんな風に見て、褒めてくれていたんだと嬉しくなります。

学級を俯瞰する役割をもつ学級委員に活躍してもらう。

帰りの会で、ある教科の話題になったとき、担任の先生は「それじゃあ学級委員、あなたから見て、一番鋭い意見を出していたのは誰?」と尋ねてみましょう。

「う~ん。Aさん。」「どうして?」「だって、この話し合いで、こんなことを言っていたから。」

そして「そうなの?みんなも鋭いと思った?」と尋ねます。

すると「B君もよかったよ」とか「鋭くはないけど、Cさんが頑張ってたと思う。」などと意見がでます。

Aさん、Bさん、Cさんは嬉しいでしょうね。

担任の先生は、帰りの会の後、別の生徒に「みんなお互いのことを認めているところがすごいよね」と話しかけておきます。この仕掛けも、後々発動していくことになるでしょう。

みんなに素晴らしさを紹介して、問う。

帰りの会で「今日さあ、ある子がこんなことをしたんだよ。きっとこんな気持ちからじゃないかなと思うんだよね。みんなどう思う?」と聞いてみよう。

その時は、きっと「うんうん」とうなずく程度かも知れませんが、これが仕掛けです。

翌日、学級の誰かがその話題に食いつき、日記に書いてくることでしょう。「私もすごいと思う。だって…」と。その日記をコピーして(名前はふせて)話題の生徒の日記帳に挟んであげましょう。

喜びが連鎖するの様子が目に浮かびませんか?

まとめ

先生が褒めたり、認めたりすることは大切です。

しかし、直接的なものであるよりも、生徒から間接的であったものの方が嬉しいものです。

心理学でいう『ウインザー効果』を利用したものです。

また、先生からよりも、生徒からの方が喜びは大きいものです。

生徒たちの喜びを仕掛けましょう。時間差で効いてくる時など、先生として嬉しくなる瞬間ですよ。

 

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