「学級目標は、4月につくり、一年間変えてはいけない」
そう思っていないでしょうか。
4月に話し合って決めた目標だから、年度末まで大切にする。決めたことをやり切る姿勢は、確かに大切です。
しかし、子どもたちも学級も、一年間同じ状態ではありません。
目標にしていた姿を達成することもあります。新しい課題が見えてくることもあります。あまり意味のない目標にしてしまったと後悔することもあります。4月に掲げた目標が、今の学級には合わなくなることもあります。
それでも、最初に決めたという理由だけで同じ目標を掲げ続けるのは、ナンセンスですよね。
そもそも、私たちは自分の目標なら、必要に応じて何度も変えています。
毎日運動しようと決めても、生活に合わなければ回数を変える。資格の取得を目指していても、仕事の状況や関心が変われば、別の目標を立てることもあります。
目標を達成すれば、次の目標へ進みます。目標を立てたときと状況が変われば、目標そのものを変えます。
それなのに、学級目標だけは、4月につくったものを一年間変えてはいけない。
それでは、目標を掲げる目的を見失ってしまいます。

学級目標は、4月につくらなくてもいい
そもそも学級目標は、4月の学級開きに合わせて、急いでつくらなければならないものではありません。
子どもたちは、まだ互いのことをよく知りません。担任も、子どもたちの関係や学級の課題を十分に捉えられていないでしょう。
集団としてのよさや弱さも、子どもたちの思いも、まだ十分には見えていません。
その段階で、
「どんな学級にしたいですか」
と問い掛けても、
「仲のよいクラスになりたい」
「協力できるクラスにしたい」
「笑顔の多いクラスがいいんじゃない」
といった、どの学級にも当てはまりそうな言葉が出てくるでしょう。
もちろん、それらが悪いわけではありません。
しかし、学級の実態を十分に捉えないままつくった目標が、本当に子どもたちや学級を育てるために役立つでしょうか。
1か月、2か月と共に生活し、自分たちのよさや課題が見えてから、学級目標をつくってもよいのです。
5月でも、6月でも構いません。2学期になってからでもいいのです。
大切なのは、4月につくることではありません。
今の自分たちが、本当に目指すべき姿をみんなでイメージし、共有することです。
目標の変えどきは、子どもが教えてくれる
学級目標を、毎月決まった時期に見直そうということではありません。
学級目標の本質を担任が理解し、日々の子どもの姿を見ていれば、
「そろそろ、この目標は変えた方がよいな」
と感じるときが自然に訪れます。
目指していた姿が、当たり前に見られるようになったとき。
目標をつくった頃とは、学級の課題が変わったとき。
目標を使って振り返っても、今の子どもたちの姿と結び付かなくなったとき。
担任が学級目標を大切にし、日頃から子どもたちと振り返っていれば、
「これ、もうできているよね」
「今のクラスには、こっちの方が必要じゃない」
「この学級目標、もう意味がないよね」
という言葉が、子どもたちから出ることもあるでしょう。
それは、子どもたちが学級目標を軽く扱っているのではありません。
学級目標を、自分たちの現在地を考えるためのものとして使っているからこそ出てくる言葉です。
子どもたちが、今の学級と学級目標とのずれに気付いた。
そこが、目標の変えどきです。
目標を変えることも、学級活動である
学級目標を変えるかどうかを、教師だけで決める必要はありません。
子どもたちに問い掛けます。
「この目標に向かって、どのような姿が増えただろう」
「今の自分たちにも、この目標は必要だろうか」
「これから、どのような学級を目指したいだろう」
自分たちの姿を振り返り、現在地を確かめ、次に目指す方向を話し合う。
目標を変更する過程そのものが、子どもたちにとって大切な学習になります。
一度決めたことを守るだけではなく、状況を捉え、必要に応じて自分たちの進む方向を調整する。
それは、集団として自分たちをよりよくしていく力です。
変えないことの方が、ぶれている
学級目標を掲げ、それを学級経営の手段として使うのであれば、考えるべきことは、
「一度決めた目標を守ったか」
ではありません。
「この目標は、今も子どもたちと学級を育てるために役立っているか」
です。
求めるべきは、4月に決めた言葉を一年間守り続けることではありません。
目標を掲げる目的を守り続けることです。
子どもたちが、集団の一員として考え、話し合い、自分たちの学級をよりよくしていく。
そのための学級目標です。
学級目標は、4月につくり、一年間変えずに守るものではありません。
目的を実現するために必要なら、目標は変えてよいのです。
変えなければならないときもあります。
目標を変えることは、ぶれることではありません。
今の子どもたちの姿を捉え、次に必要なものを選び直すことです。
むしろ、目標が役割を失っていることに気付きながら、一度決めたという理由だけで変えないことの方が、本来の目的からぶれています。
学級目標を守るのではなく、学級目標を使って、子どもたちと学級を育てていきましょう。
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