先生の言葉選び:言葉で生徒の成長を促すアプローチ

先日、あるる先生の授業を参観しました。生徒の対話が多く、いい仕掛けをしているぁ、と思っていたのですが…。

生徒にかける言葉の最後が「〜して下さい。」「〜してほしいと思います。」「・・・お願いします。」

何か問題でもあるのかなぁ…
丁寧に話しているだけじゃないの?

ミスタ

丁寧に聞こえますが、
使い慣れた、丁寧そうなフレーズを発しているだけなんです。

それじゃ、ダメなの?

ミスタ

ダメなんです。
言葉は、心や気持ち、メッセージを相手に届けるもの。
丁寧さよりも、伝えることに気を遣うべきなんです。

この記事を読んで分かること
  • 生徒に言葉を発する時、何を大切にするべきか、という考え方が分かる。
  • その際の語尾や言い回しの具体が分かる。
  • 語尾や言い回しを変えた時の効果が分かる。
目次

さあ、生徒にかける言葉を変えていきましょう

丁寧な言い回しのようですが…

コミュニケーションは、表情やジェスチャーといった視覚からの情報、口調や音量、勢いなどの聴覚からの情報、触覚からの情報など、たくさんの要素があります。

そして、言葉というものは、コミュニケーションにおいて、とても大きな存在なのは言うまでもありません。

「立ってください」「立て!」「起立」「立ちましょう」「起立をお願いします」「立ってほしいと思います」

ホントだ。
受け取る側の印象が変わりますね。

先ほどの先生は、丁寧に聞こえて、使いやすいフレーズを語尾に選んでいるだけだったのが分かりますか?

「〜して下さい。」「〜してほしいと思います。」「・・・お願いします。」と生徒に言ったとしたら、もしかしたら、「先生のために学んでいるわけじゃないのに」と、「断ることはできるのか?」と、思う生徒がいますよね。

もしくは、潜在意識の中で、生徒の方が立場が対等以上になっていく可能性もあるのではないでしょうか。

もう少し先生の言葉に耳を澄ませば、「はい」「いいですか」「分かりましたね」などが聞こえてくるかも知れません。そのようなとき「よくないよ」「分かってないんだけど」「先生勝手に分かったことにしちゃってる」という生徒の声が聞こえてくるような気がします。

余談です。僕は多少敏感になりすぎていますが、大人の会話の中にも奇妙な言い回しがあります。「…していただけたら幸いです」「…していただきたいのですが」と。しなくてもいいの?していただきたいのですが、何ですか?と。もっとストレートに、「…してください」「してほしいのですが、可能でしょうか?」と言ってほしいのです。

授業では、生徒が主役です。

授業では、生徒が学ぶものであり、先生はその学びの支援者であり、伴走者です。

結論から言うと、「~してみよう」「~しましょう」のような言い回しが多くなるはずです。

そして、学びに向かわない生徒に対しては、「~しなさい」「~した方がいい」と、その生徒のことを考えて示唆する言い回しになるはずです。

また、生徒の状況を問うのであれば「どうかな?分かったことを隣の子に説明してみて」とか、「ここまでで、質問ある?遠慮なく言ってよ」などがいいと思います。

確かに。
「分かりましたね」とか、言ってたかも…

先生が言葉に敏感になると、生徒が伸びる

こんな生徒の発言を聞いたことありませんか?

  • 「先生が…しろ、だって」
  • 「静かにして下さい」
  • 「生徒会に立候補する」
  • 「グラウンドを走らせます」

うん。違和感がある。

  • 納得してないんだったら、先生に問い返そう。そして納得してから、みんなに伝えよう。「…しようよ」とかさ。
  • 今は、静かにすることが自分たちの得になる、または、静かにすべき時ならば。「静かにしよう」とか。
  • 組織のことを理解している生徒なら「生徒会の役員に立候補する」ですよね。…組織を大切にする指導になる。
  • 部活の先輩であろうと、そんな罰を与えるような、後輩のことを考えていないような言い回しをさせられません。「グラウンドを走っていてもらう」「グラウンドを走ることにしましょう」とか。
ミスタ

言葉を指導することは、
生徒が立場やいいコミュニケーションを知ることになります。

まとめ

授業では、先生自身の日頃から使っている言い回し(口癖など)が出てしまいます。日頃から状況や立場を考えて、言葉を選び使う必要があると思います。

言葉を受け取る方は、それほど語尾や言い回しを捉え、それに反応しているわけではないと思います。それは、話の本質を捉えようとするからでしょう。しかしながら、何度も繰り返される言い回しは頭に残ってしまいます。

言葉は、自分の『思い』『心』『考え』を伝えるためのものです。

よく考えて、少しずつ洗練された言葉遣いができるようになりましょう。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

シェア頂けると嬉しいです!よろしくお願いします!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次