学級通信のススメ:生徒との信頼関係を築き上げる教育術

ミスタ

学級経営の手段のひとつ『学級通信』。
最初は大変だけど、すぐに書けるようになります。挑戦しましょう。

学級通信って、発行しなければいけないの?

ミスタ

いいえ。義務ではありません。
しかし、上手に書ければ、かなり効果的な手段です。
コスパ最強の手段の1つなんですよ。

この記事を読んで分かること
  • 学級通信が学級崩壊を防ぐ手段になり得ることが分かる
  • どのように書けば効果的かが分かる
ミスタ

今回は、学級通信を使って、学級の立て直しを図った例を載せます。

目次

学級通信を利用した学級の立て直し

以前、先輩教員に「学級崩壊したくなかったら、学級通信を発行しなさい。学級通信が滞らない学級は崩壊しない。なぜなら、担任が生徒の行動をたくさん捉えて、メッセージを出し続けているから。」

その時は「そんなものかなぁ」と思っていましたが、ある年それが真実に近いと感じ始めました。それは、ある学級の立て直しの手段として、明らかに学級通信が役にたったからです。

困っていた隣の担任

ある年の9月、僕の隣の学級が崩壊気味になってきていました。

好き勝手やっている生徒がいる。担任の注意を聞かない。もちろん学級委員の言うことを聞かない。授業に遅れる生徒がいる。授業中に勝手なことをやっている生徒がいる。

担任は、よくない生徒、よくない言動しか目に映らなくなっていく。当然、生徒へのメッセージは説教が中心になってしまう。悪循環・・・。

心が削られる毎日です。その担任は、学級に行くのも大変になってしまうほどでした。

学級の生徒は、どんどん心が離れていき、担任の先生は、次から次に問題を起こす生徒たちの対応に追われる日々を送っていました。

僕は、学年の先生たちと、フォローをしながら、負のスパイラルから脱するように必死で考えました。

そして、みんなで出した答えが学級通信でした。

その担任は、週に2回発行することにしました。そして、通信の書き方を学年の先生たちで学び合いました。

最初は発行することだけを目的に

学級通信を書いたことのある先生は分かると思いますが、何もないところからは書けません。

記事を書くには、生徒の言動を捉える必要があります。そして、よい言動に対して記事を書こうとします。なぜなら、保護者の目にとまる記事に「今の学級はこんなによくない」と書くことは、余計な心配をかけたり『悪い学級』のレッテルを張られたりする可能性があるからだからです。

このことに学級通信を書く、最大の効果があると思います。その担任は、生徒のよい言動を捉え始めたのです。書き始めた当初は、自分で捉えられないこともあり、学年の先生が「あなたの学級の○○さんが、こんないい言動をしていましたよ」と、よく伝えていました。

現状を何とかしようとしている学級委員。好き勝手やっている中で、しっかりやろうとしている生徒。日記の中で深く考えて書いている生徒。

それらを捉えて通信の記事にするのです。

発行することだけを目的にしたのですが、学級通信という性格上、発行することは、生徒のよい言動を捉えようとする担任の先生をつくったのです。

次に学級通信を学年の先生でブラッシュアップ

発行した学級通信は、学年の先生で共有し、より効果的な通信にすることを目的に話し合ったり、加除修正したりしました。

学級通信を書くのが得意な先生や、そうでない先生も通信を読んで、意見を出し合いました。得意な先生が、文章を打ち直すこともありました。

これが出来たのは、その担任の人間性が大きく関わっていたと思います。学級崩壊を何とかしたいという強い思いをもっていて、さらに謙虚な心をもっていたからだと思います。

言語化する大切さ

生徒の言動を素晴らしいと思うことは多々あります。しかし、それを通信にして伝える際には、その素晴らしさを深く考え、生徒に分かりやすくしなければなりません。

その過程は、2次的な効果がありました。担任の先生からの話の質が変わってきたのです。

以前は、「○○さんの今日の行動は、とっても素晴らしいと思います。皆さんもそんな行動ができるようにしてほしい」という話をしていた先生が、

「○○さんの今日の行動は、とっても素晴らしいと思います。それは、このような状況でこういうことを考えてやったことであり、そこには学級のみんなのことを思う心があったからですよね。」となっていったのです。

「素晴らしいこと」を、根拠を明確にしながら伝えていたのです。(この場面を見た学年主任の先生は、「こんなことができるようになったんだね」と、その先生に感動させられていました)

当然、生徒の食いつきは変わってきます。担任の先生の話をよく聞くようになっていったのです。

「素晴らしい」という言葉だけでは、学級通信の記事になりません。なぜ素晴らしいか?を言語化しなければなりません。自然と鍛えられていたということでしょう。

立て直しに成功

教員をしていれば、学年の途中で崩壊気味の学級を立て直す大変さを知っていると思います。

崩壊気味になってしまうと、現状維持か悪くなっていく学級がほとんどだと思います。

それを、先ほどの担任の先生は立て直したのです。僕が学級通信を強くおすすめする理由がここにあるのです。

崩壊していなくても・・・

崩壊気味の学級からの復活劇でしたが、学級通信は復活の手段としてだけのものではありません。

崩壊しないための手段、停滞気味の学級から脱却する手段、生徒が他の生徒とつながるための手段、教員の思いを伝える手段、担任としての考えを整理する手段・・・と。

かなり多くの効果が見込めるのが学級通信です。ぜひチャレンジしましょう。

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