学校における組織のはなし

先生がリーダーでは、生徒の成長を妨げることになりかねないことは、先日、話題にしたところです。

以前のお話 ⇒ 担任は、学級のリーダーになってはいけません。 (reggie0031.com)

それは、どの組織をモデルにしても同じこです。例えば、委員会活動、生徒会執行の部活動、部活動、実行委員会の活動。

どの組織でも、先生がリーダーの役割を担って活動を進めていくと、生徒の成長の妨げになってしまいます。

今回は、その失敗例を紹介した後に、改善策を提案します。

委員会活動を例にとる

委員長と副委員長がいる、そして委員会顧問。

活動を進め、他の委員会や全校生徒、先生方に迷惑をかけないために一番簡単な手段。それは、顧問が仕切って活動を推進することである。

委員会の話し合い活動の時間が始まる。先生が座席を指定し、着席。「はい委員長、挨拶の号令」

そして顧問が話しはじめる。「今日の委員会は3つのことをします。これから委員長を中心に、目標を決め、その後で常時活動の当番を決めます。そして最後に、特別活動の○○集会の分担をします。集会については、個別に呼ぶので、あとで話しましょう。」

委員長は、「僕の役割って何?いらないんじゃない?」

部活動を例にとる

「先生、今日の練習は何をやりますか?」「このメニューで進めてくれ。」

メニューには、活動内容と時間が書かれている。それをこなしていると、1年生が真剣になれず、テキトーにプレイしだす。

顧問が現れ、「何やってるんだ!真剣にやれ!部長と副部長はちょっとこい」

説教だ。そして、ミーティングを命じられ、その話し合い結果を顧問に伝えに行かなければならない。

そして練習が終わり、円陣の中心にいる顧問。「もっと真剣にやりなさい」的なことを言って、みんなで挨拶をして終わり。

部長は「僕はメニューを伝え、うまくいかないと怒られ、先生のご機嫌を取る役なのかなぁ」

実行委員会を例にとる

実行委員長は、各部門の部門長を抱えている。そして部門会が行われる。部門会には担当の先生がつく。

担当の先生は、部門を仕切る。「この部門は、こんなことをやっていくよ。役割分担から始めよう。」

部門長は、実行委員長にこう言うだろう。「私は、何をやればいいの?」

そして実行委員長も「私も分からない。だって、知らされてないもん。」

目次

解決策の前に、学校が抱える指導体制を理解しよう。

学校は、生徒に全て任せることはしません。各組織において、リーダーを置くが、同時に担当の教員を位置づけます。

学級、部活、委員会…、PTAの委員会においても同じことが言えます。必ず担当教員を割り当てます。そのこと自体は問題ないし、割り当てられるべきものだと思います。

言ってみれば、組織が2重にあるということです。2層と言ったらいいのかも知れません。生徒レベルの組織と先生レベルの組織です。

そして生徒レベルの組織が表舞台であるならば、先生レベルの組織は裏方。先生は表舞台には立たないのです。

そして先生達は、2つの役割をもちます。

① 生徒レベルの組織が機能するように、裏で(できれば見つからないように)先生達と調整していくこと。

②生徒レベルの組織が機能し、活動を進めていく中で生徒の成長を促すこと。

この2つだけを考えればいいのです。

解決策はシンプル。

先ほどの①は、先生たちと話し合っていきましょう。

問題は②成長を促すことです。そのために何をするか?答えは簡単。担当した組織のトップにいる生徒が、トップとして格好いい姿をつくることに尽力するだけです。

  • 例えば、組織の話し合いがあったら、今まで先生がやっていた司会を任せる。任せるだけだとできない子であれば、前日までにリハーサルをして、格好よく司会ができるようにしていく。
  • 例えば、組織の中で意見が上がったら、それを上層部に掛け合ってきて、その結果を組織に伝えるようにアドバイスする。そんな生徒は格好がいい。
  • 例えば、次回の活動計画を立てようと、話を持ち掛けて計画を立て、生徒が見通しをもっているようにしておく。そうすれば、誰に聞かれてもすぐに答えられるだろう。

こんな風に、自分が裏方になって生徒が活躍していく支援をするだけで、リーダーとして成長していきます。

おまけもつく。

そんなリーダーの姿を見た下級生はどう感じるか?

「かっこいい」「あんな風になりたい」「組織のリーダーって、こんなことができるんだ」「組織のリーダーってこんなことができなければならないのか、挑戦したい」

そんな風土が学校に広がれば、先生主導で動かしていた組織が、徐々に生徒主導で動いていく組織になっていきます。

生徒が成長します。

そして、よい循環を生むことにつながっていきます。

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