3年生の担任になると、よく聞く言葉があります。
「受験生だから勉強しなさい。」
先生として、ごく自然な言葉なのかもしれません。
でも、私はこの言葉に違和感があります。
時には、子どもたちを「勉強しなければならない」という方向へ追い込む、脅しのようにも聞こえるからです。
もちろん、勉強は大切です。
教師には、授業を通して子どもたちの資質・能力が身に付くよう働きかける責任があります。
だからこそ、私は「受験のために勉強する」という考え方ではなく、「中学校生活を充実させる中で、学ぶ力も身に付けていく」という考え方を大切にしています。
中学校には、中学校でしかできないことがある
中学校生活は、高校へ進学するためだけの準備期間ではありません。
友達と本気で話し合うこと。
授業で仲間と考えを伝え合うこと。
行事で試行錯誤すること。
部活動で仲間や先輩、後輩と関わること。
これらは、その時期にしか味わえない経験です。
大人になってから、「もう一度中学校生活をやりたい」と思っても、同じ経験をすることはできません。
だからこそ、私は子どもたちに、その時期にしかできないことに夢中になってほしいと思っています。
夜遅くまで勉強することが、本当にいいことなのか
受験が近づくと、夜遅くまで勉強する子が増えます。
「頑張っているね。」
そんな言葉を掛けたくなる気持ちも分かります。
でも、その結果、授業中に眠くなり、友達との関わりも減り、行事にも十分に取り組めなくなるとしたら、本当に望ましいのでしょうか。
学校生活を豊かにするために勉強するはずが、勉強によって学校生活が犠牲になってしまう。
私は、それは本末転倒だと思っています。
成長期の子どもたちに必要なのは、勉強だけではありません。
十分な睡眠。
友達との関わり。
運動する時間。
そして、授業に集中できる毎日です。
その土台があってこそ、学びも深まります。
目指したいのは、無理なく学び続けられる人
テストや受験は、人生の通過点です。
そこで一時的に頑張ることも必要でしょう。
しかし、それ以上に大切なのは、無理なく学び続けられる人になることだと思います。
毎日の授業を大切にする。
家庭学習を無理なく続ける。
健康的な生活を送りながら、自分の力を高めていく。
そんな学び方を身に付けた子どもは、高校でも、大学でも、社会に出てからも、自ら学び続けることができます。
私は、子どもたちに「受験生だから勉強しなさい」と伝えたいのではありません。
「今しかない中学校生活を思い切り味わおう。」
そして、その中で勉強にも夢中になってほしい。
その積み重ねが、学ぶ力を育て、人生を豊かにしていくのだと考えています。
