保護者面談、教師は何を考える?

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保護者面談、教師は何を考える?

保護者面談が近づくと、学年で打合せをする。

「学習の様子は伝えよう。」

「友達との関係も話した方がいいね。」

「提出物が出ていないことも伝えておこう。」

「支援室での様子も話しておかないと。」

すると、こんな言葉も聞こえてくる。

「課題ばかりじゃなくて、良いところも話そう。八割くらいは良いことを伝えた方がいいよ。」

先生方は、その子のことを真剣に考えながら、保護者へ伝える内容を整理している。

私は、その打合せを聞くたびに思う。

「課題を十割話しても、私は全く問題ないと思っている。」

もちろん、条件がある。

それは、「何を話すか」よりも大切なことがあるからだ。


面談で考えるべきことは、「話す内容」ではない

保護者面談では、

学習の様子を伝える。

友達関係を伝える。

生活の様子を伝える。

提出物のことを伝える。

どれも必要な情報である。

しかし、それらはすべて材料である。

そして、その材料をどう伝えるかも手段である。

教師が本当に考え続けるべきことは、

「この面談が終わったとき、どんな状態をつくりたいのか。」

という目的ではないだろうか。


面談の目的は、合意形成である

私は、保護者面談の第一の目的は、

子どもの未来のために、保護者と教師が同じ方向を向くこと。

だと考えている。

学校が困っていることを伝えることでも、

家庭へ協力をお願いすることでもない。

その子がよりよく成長できるように、

教師と保護者が同じ願いをもち、一緒に支えていこうと合意することである。

そう考えると、

学校で困っていることを伝えることも、

家庭へ協力をお願いすることも、

すべて目的を実現するための手段になる。


子ども抜きでは、合意形成はできない

ただ、ここで忘れてはいけないことがある。

合意形成の当事者は、

教師と保護者だけではない。

子ども自身である。

教師が、

「この力を伸ばしたい。」

と思っていても、

子どもは違うことを頑張りたいと思っているかもしれない。

保護者の願いと、子どもの思いが違うこともある。

教師と保護者だけで方向を決めても、

子どもが納得していなければ、その方向へ努力し続けることは難しい。

だから、

教師は子どもの思いを聞く。

必要であれば、自分の願いも伝える。

そして、子ども自身が、

「そうだよね。」

と納得できるよう働きかける。

面談とは、

教師と保護者だけの話し合いではない。

教師・子ども・保護者の三者が、同じ方向を向くための営みなのである。


教師は、目的から目を離さない

目的が決まると、

面談は用意した話を順番に伝える時間ではなくなる。

保護者の反応を見ながら考える。

この話題は今、必要だろうか。

この話は後にした方がよいだろうか。

今は困り感を伝えるより、子どもの思いを共有した方がよいのではないか。

保護者の不安を受け止めることを優先した方がよいのではないか。

その場で考えながら、

話す内容も、

話す順番も、

質問も、

変えていく。

教師は、面談中も目的から目を離さないのである。


だから、課題を十割話しても構わない

ここで、冒頭の話に戻る。

「良いことを八割、課題を二割伝えよう。」

私は、その考え方を否定したいわけではない。

ただ、いつも思う。

それは、何を目的にしたときのコツなのだろう。

もし目的が合意形成なら、

課題を十割話しても構わない。

「このままでは勉強が苦しくなるかもしれません。」

「友達との関わり方も、このままでは本人がつらい思いをするかもしれません。」

そんな話を率直にしてもよい。

ただし、その主語は、

学校ではない。

教師でもない。

子どもの未来である。

「この子に笑顔で学校生活を送り、将来も豊かに生活してほしい。」

その願いを保護者と共有できれば、

課題を十割話しても、

その面談は前向きな時間になる。


おわりに

保護者面談で教師が考えるべきことは、

「何を話そうか。」

ではない。

今、この話は、子どもの未来につながる話なのだろうか。

今、この言葉は、保護者と同じ方向を向くことにつながるのだろうか。

そう問い続けながら、

材料を選び、

言葉を選び、

手段を選び続ける。

保護者面談とは、

用意した内容を伝える時間ではない。

子どもの未来のために、教師・子ども・保護者が同じ方向を向くよう、教師が考え続ける時間なのである。

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